美容室と床屋

顔剃りができるのは床屋

カット鋏とシェーバー

法律的な違い

床屋で髪を切ってくれるのは理容師で、美容室で髪を切ってくれるのは美容師です。 この職業に就くにはそれぞれの免許を持っていいなければならないので、美容室と床屋では法律的には違うものということになります。 あなたの町の床屋で働く男前の理容師さんは1人残らず理容師免許を持っていますが、それだけでは決して美容室で働くことはできません。 理容師免許を持っているから髪を切るのは得意ジャンル、たまには美容室で髪を切ってみようかな、と美容室をオープンしたり、取得している資格をごまかして 美容室の求人に応募して採用され、美容室のスタッフとしてお客さんの髪の毛を切る事は許されない行為で、法的にもアウトです。 逆に街角の美容室で働く綺麗なお姉さんはみんな美容師免許を持っていますが、美容師免許だけでは一身上の都合で床屋へ転職することは不可能です。 長年頑張って念願の美容師免許を取得したけど近所に美容室がない、お客さんと愉快なトークをするのを夢見てたけれどこの町には美容室がないのに気がついた、 そんな時に打開策として床屋への就職を考えるのは間違っていますし不可能です。 美容室と床屋は名前が違ったりイメージが違うだけでなく、本来は目的も違うので資格も別のものになるのです。 両方の資格を取得すればどちらでも髪を切る事はできますが、そんな酔狂な人は全国にもあまりいないでしょうから例外としておきます。

具体的な違い

床屋は男性用、美容室は女性用というイメージの元凶は今までに行われてきたサービス内容によるものが大きいでしょう。 それまで体験してきたこと、見てきたことでそうしたイメージを持っている人が多いかもしれないですが、時代の変化とともにそうしたイメージも現在の状況とは違ったものになりつつあります。 もともとの定義は、理容は頭髪の刈込、顔そり等の方法により容姿を整えることで、美容はパーマネントウェーブ、結髪、化粧等の方法により容姿を美しくすることでした。 床屋では髪の毛を刈り込んでカットしたりシェービングで容姿を整えることがメイン、美容室ではカットやパーマだけでなく化粧や結髪で容姿を美しくすることが主な業務内容でした。 今でも成人式などで着物を着る場合に美容室でいろいろやってもらう女性はいますが、それも正しい美容室の利用方法です。 このように男性向け、女性向けの違いではなく法律によって業務範囲が違うのですが、現代では男性でもオシャレなパーマをかけたりオシャレにカットしたり、 美しくなるために美容室へ行く人も増えているのです。

理容師と美容師

今では床屋と美容室に大きな違いはありませんが、そこで働いている理容師と美容師では持っている資格、そのために学んできた事柄に違いがあります。 理容学校では主に男性向けの刈り上げを中心にカット方法、パーマに関しては小さなロッドを使ったパーマの方法などを学びます。 男性がかけるパーマといえばロッドの小さいパンチパーマがほとんどで、床屋へ行きパーマかけてよ、と言えばパンチパーマになりますし、 お任せでかっこよくしてよ、と言ってもパンチパーマをかけられます。 つまりパンチパーマさえマスターすればたいていのお客さんの要望に応えることができるので、これを重点的に勉強するわけです。 一方美容学校ではパンチマーマにはさほど力を入れません。 髪の長い女性向きのカット方法、ウェーブをかけたパーマなどの実習がほとんどで、男性向けの技術はそれほど学びません。 ですがこれからの時代、この2つの業種の差はさらに小さくなっていくでしょうから、パンチパーマが得意な美容室も珍しくなくなるかもしれませんね。